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話題の放送番組を見る会・語る会(第3回)

 平成17年11月5日(土)、那覇市のロワジールホテル オキナワで開催されたこの会には、放送関係者約60名が参加した。
 戦後60年の今年は九州放送映像祭の30周年とも重なり、同映像祭は初めて福岡を離れての開催であったが、基金主催による同会も初めての地域開催として話題となった。コーディネーターは今回も、境 真理子氏(江戸川大学教授)にお願いした。
※2005九州放送映像祭&制作者フォーラムの詳細はこちら

『私達は、こうして<戦争放棄>を知った』(ドキュメンタリー工房/大阪)
鈴木 昭典 氏(ドキュメンタリー工房代表)
<ストーリー>
 敗戦に至った先の戦争に対する反省の中から戦争放棄の第9条が生まれたという、憲法成立をめぐる当時の動きを真正面から取り上げた本格的なドキュメンタリー。この「見る会・語る会」で初めて公開された作品。 
『むかしむかし この島で』(沖縄テレビ放送)
山里 孫存 氏(沖縄テレビディレクター)
<ストーリー>
 沖縄戦で、アメリカ軍には100人を越えるカメラマンが同行し、その詳細を記録していた。この戦いで生き残った住民の今と、当時の映像とで構成されたドキュメンタリー。公開された映像に、当時の自分や家族と対面した人々がその思いを語り始めた・・・。 

◇◆ドキュメンタリー作りの情熱はどこから◆◇
 鈴木氏は「テレビから学ぼうとしている視聴者は多いはずで、わかりやすさを優先して媚びたような番組作りが多いのは残念。制作者と視聴者の対話ができていないことが問題ではないか」と話し、山里氏は「沖縄で今、自分が在るのは激しかった戦争を生き延びた人々がいたからこそ…との思いで制作した番組なので、若い中・高校生にぜひ見て欲しかった。そのためコマーシャルなどで切り替えられることのないよう、間やテンポ作りに苦労した」と語った。
 山里氏が、鈴木氏に対し、50年を越えるドキュメンタリー作りの情熱はどこからと問いかけたのに対し、「ジャーナリストは、情報というものに対し、常に真の情報は別にあるのではという思いを忘れてはならない。戦後、周囲がガラリと変わった自らの経験を通して、その思いが今も自分を駆り立て、番組を作り続けている」と鈴木氏が応えた。
 さらに山里氏は、大先輩の鈴木さんに出会えた喜び、そして憲法9条にまつわる貴重な作品の初公開に立ち会えた喜びを語った。