●ミニ番組コンテスト
参加番組25作品の中から、最優秀賞1本、優秀賞2本、審査員特別賞4本、制作者特別賞3本が選ばれた。 |
<敬称略> |
●講演
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「地域放送を担う若者たちへ」 あさのあつこ氏(作家) |
野球を通して成長する少年たちの姿を描いた「バッテリー」およびその続篇で、野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞などを受賞。
あさのさんは出身地の岡山県美作市に在住し、執筆活動をつづけている。ふだんテレビをみる機会も減っているが、えっ、こんな見方があったの!と思わせる番組を楽しいと感じる。
自分はいま、岡山に住むが、地方を見る場合、中央からの意識といった一律の目で見て欲しくない、負の面もしっかり知っているということが大事だと語った。今は大人と子どもの世界が隔絶していて、子どもにいろいろな意味で負荷がかかっている。テレビは影響力が大きく、具体的なものを見せる力を持っているのだから、子どもたちが元気や勇気をもてるような番組を制作者は見せて欲しい。それは、地方にどのくらい本気で取組んでいるかで決まるもの。
また、現場の人たちは、数字にこだわらず、覚悟を持って信念をつらぬき、これが大人の仕事だというものを、番組を通して私たち視聴者に見せて欲しい。子供はこうした大人を信頼するものだと語った。 |
●ミニ番組受賞作品討論会
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最優秀賞と優秀賞にかがやいた3作品をもう一度上映し、コンテストに参加した他の制作者も含め、ミニ番組審査員との意見交換を行った。
最優秀賞作品『本物そっくりの立体凧』では、制作者から、鳥の大群が同型の凧にいっせいに群がる驚きのシーンを最初に出すか最後に出すかで迷ったという話しがあり、審査員からは最後のシーンにすることで非凡なものになっていると評価された。この番組は偶然がいくつも重なり合った幸せな番組だとの意見があった。
優秀賞作品『カメラマンリポート「金魚すくい」』では、大会本番があまり描かれていないが当日何かエピソードはなかったのかとの質問がでて、制作者は、もともと金魚100匹を日常、家庭で飼っているということに興味があったこと、大会当日はそれほど特別なこともなかったとの答えがあり、審査員からはもっとねらいをつけて家族を深く取材する方法もあったのでは?との意見もあった。
優秀賞作品『歌舞伎大好き!
紙吹雪おばあちゃん』では、制作者は取材から帰って自局のライブラリーで、金毘羅歌舞伎に関するこれまでの映像を探しているうち、17年前のおばあちゃんを偶然みつけたと話し、審査員からは、偶然のように聞こえるけれどそれは一生懸命取材しているからこそ引き寄せることができたもの。一生懸命やれば何かが必ず向こうからやってくるのでは…との意見がでた。
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