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北信越制作者フォーラムinながの
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***開催内容詳細***

北陸3県と長野、新潟にある全民放とNHK、計22局が協力、制作者を中心に約50名が参加しました。


ミニ番組コンテスト 入賞作品
参加番組18作品の中から、最優秀賞1本、優秀賞2本、審査員特別賞が3本が選ばれました。

受賞者
番組名
最優秀賞
松井 健悟(信越放送) 『パパ飯塚のハリキリ子育て応援団!プール嫌いを克服したい!』
優秀賞
大野 慶介(北日本放送) 『金曜ジャーナル「自宅で最期を迎える」』
優秀賞
井上大志氏 (NHK長野放送局) 『ライチョウを守れ』
審査員特別賞
(長南賞)
山 勇平(長野朝日放送) 『ザ・駅前テレビ 目指せ!信州の超絶景温泉! 〜北アルプスを取り巻く温泉物語〜』
審査員特別賞
(加地賞)
三木 早子(石川テレビ) 『演劇の力〜フリースクールの現場から〜』
審査員特別賞
(神原賞)
岩下啓介(テレビ信州) 『ライブ!出たとこ割烹』

<敬称略>



ミニ番組コンテスト最優秀賞受賞
作り続けることへの誓い
信越放送 情報センター制作部
松井 健悟

 出品した作品は、「こどもの夢や未来を応援する」というコンセプトをもとに信越放送が展開している“こども未来プロジェクト”の一環で放送している情報番組のワンコーナーです。子育て中のママのお悩みを解決するという趣旨で制作したもので「おもしろくってためになる」を目指しました。子育て中のママには発見を、かつての子育てママには少しの懐かしさを、これからのママには期待を届けたい…との思いを込めました。
 主役は、プールが苦手…というよりも、水そのものが大嫌い!という女の子。その水嫌いを何とかしたい。どこにでもあるママのお悩みです。プールを前にし、はじめは大泣きしてしまうのですが、コーチのツボを押さえたレッスンを経て、プール遊びが大好きに。不安が喜びに変わる―。その過程をシンプルに表現しようと心がけました。
 情報番組のワンコーナー。放送されてしまえば、それでオシマイ。その宿命は百も承知。だからこそ、いかに頭を悩ませ、準備を重ね取材をし、工夫をして編集し、視聴者をイメージしつつ、より魅力的な内容を届ける―。それが日々繰り返されている番組制作の日常でありながら、なかなか認められることはなく、評価もされにくい。ゆえに今フォーラムのコンテストでの受賞は励みになり、制作者として大きな喜びを感じました。
 受賞に感謝!!このような賞をいただいたことを、作り続けることへの誓いとかえさせていただきます。

ミニ番組コンテスト大賞受賞

トークセッション

〜テレビ制作 これからどこを目指して何を作る?〜
コーディネーター 平沢 幸子(長野朝日放送 アナウンサー)
ゲスト       長南 武(フリーディレクター)
            加地 倫三(テレビ朝日 ゼネラルプロデューサー)
            神原 一光(NHK ディレクター)

 三人の審査員をゲストにトークセッションが行われました。冒頭で、サンプルとしてミニ番組コンテストに出品された番組の1つを見ながら、「このテロップは画を見せてから出した方がいい」「別撮りしたインサートを入れた方が良い」などの指摘が飛び交いました。その後、“番組の発想はどこから生まれてくるのか?”という質問に対しては、「日頃から自分の琴線に触れたことはメモをしている」「企画を考えるときは、いま何が足りていないのかを考えるといい」などの答えが。また、“取材対象者との距離”については、「親しくなるに越したことはないが、取材者という客観的な視点を持つこと。そして、相手のことを良く知ることが大事だ」という話がありました。第一線で活躍する現役の制作者の経験に基づいた言葉の一つ一つには、説得力と若い制作者へのエールが溢れていて、とても刺激的なトークセッションになりました。
 この後、場所をホテル信濃路に移して表彰式と懇親会が行われ、制作者のみなさんが審査員を囲んで時間ギリギリまで熱心に語り合っていました。



フォーラムに参加して

「試されるのは、誰か」
ミニ番組コンテスト審査員 神原 一光
(NHK 大型企画開発センター ディレクター)

 冬の始まりを感じさせる長野に、北信越の民放各局とNHKの若い制作者が集まった。かくいう僕も、まだ34歳。審査をされる立場でありながら、審査をする側に選んで頂いたことに若干の戸惑いがあったが、声をかけて頂いた以上、割り切った。「同世代として“やられた!”と羨むものを選ぼう」。
 フリーディレクターの長南武さん、テレビ朝日の加地倫三さんといった超一流の制作者に交じっての審査。次々に提示される5分のVTR。番組を作るだけでは決して得られない「見る力」や「客観性」が鍛えられていく。
 何を重視し、企画の本質をどうあぶり出すか。それを制作者たちに端的に伝えなくてはならない。まるで、審査される方だけでなく、審査する方が試されている。VTRを繰り返し見続けるたびに、どこか「インタ―バル・トレーニング」にも似た緊張と弛緩の連続がズシリとのしかかってくる。
 賞を選び終わった瞬間、「賞を出せてよかった」とホッとする、どこか不思議な気持ちが芽生えた。
 僕の記憶が確かならば、初任地・静岡にいた頃、東海地区には、こうしたフォーラムはなかった。同世代の制作者と交流する機会すらなかった。だから、若い頃にお互いの顔と番組を突き合わせ、切磋琢磨できるフォーラムは、とても貴重な場所だと思った。
 「ぜひ声を掛け合って。これを縁に共同企画を考えたっていいじゃないですか」。東京に異動してから、民放局と垣根を越えて番組を作った経験から、思わずそんな言葉もついて出た。
 審査で、同世代にたくさん言った分だけ、僕も彼らをうならせる番組を作るしかない。制作者としての「魂」に火がつくには、十分すぎるフォーラムだった。


「2014北信越制作者フォーラムinながの」を終えて
実行委員 上小牧忠道
(長野放送 制作局次長)

 11月15日に長野市で開催した制作者フォーラムは、ミニ番組コンテストとゲストによるトークセッション、そして懇親会が主な内容です。ゲストはフリーディレクターで「情熱大陸」などドキュメンタリーを手掛ける長南武さん、「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」など人気番組を育ててきたテレビ朝日ゼネラルプロデューサー加地倫三さん、そしてNHKの若手注目ディレクター、執筆や講演など幅広い活動を行う神原一光さんの3人です。
 ミニ番組コンテストがはじまると、驚いたのが加地さんから「スーパーのフォントは○○より△△がいい」というアドバイスのコメント。加地さんはスーパーを発注するとき、フォントや色、位置などを細かく指示して、効果的なスーパーの出し方に常に気を配っているそうです。
 トークセッションでは神原さんが常に持ち歩いているネタノートを見せてくれたり、長南さんが取材対象との距離の取り方を指南するなど、私たちにも役立つ話がてんこ盛りでした。
 参加した北信越のディレクターの皆さん、あの日のアドバイスを思い出して、いい番組を作ってください!