北陸3県と長野、新潟にある全民放とNHK、
計22局が協力、制作者を中心に約80名が参加した。
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カメラを置いたからこそ撮れるもの |
テレビ金沢報道制作局 カメラマン
白澤 友朗 |
 この番組は、石川県の小さな集落、鉢伏地区の「区長選挙」に密着したものです。鉢伏には住民が運営する「共同風呂」が日本で唯一残っていて、私はカメラマンとして去年から取材に入りました。
今回は、集落の営みの1つとして区長選を取り上げたわけですが、笑いあり、驚きあり、そんな集落の空気感を表現しようと心がけました。そのためには、住民たちがカメラに向かって自然と喋りかけてくれるまで仲良くなることが必要で、カメラを置いて何度も集落に足を運んだことは無駄ではなかったと感じています。
また、いつも夕方になると、「共同風呂」が陽だまりのように明るくなっているような感じがしていて、それも表現できればと努力したつもりです。
とにかく、私はこの集落が大好きで、「共同風呂」があることをうらやましいと思っていて、そんな気持ちが番組を観た人にも伝わっていれば嬉しいなと思います。
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〜どうなる?どうする?「地域のテレビ」を考える〜 |
 〜どうなる?どうする?「地域のテレビ」を考える〜をテーマにゲスト3人のこれまでの経験を踏まえてトークセッションが行われた。「世界の複雑さを伝えて欲しい」「テレビを見た人がインターネットを通じて他の視聴者と繋がっていて、インターネットが昔のお茶の間になっている。ネットは決してテレビの敵ではない」「テレビが伝えることには限界はある。その限界をどう伝えるのかが大事」「地域の中だけで情報や話題を共有するのではなく、東京やその他の地域に投げかけることも大事」などの要望やアドバイスが若い制作者たちにあった。
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垣根を越えた1日は・・・ |
実行委員 小山 憲一
(富山テレビ報道制作局) |
解散総選挙と重なったら延期、又は中止も、という前提で準備を進めていた北信越制作者フォーラム。結局、解散翌日の開催となりましたが、ほぼ予定通りの県外からの皆さん、そして多くの地元関係者に出席して頂き、無事開催することが出来ました。有難うございました。
NHK・民放、そして民放の系列を越えて集い交流を深めることがフォーラムの趣旨の一つですが、コンテスト出品のミニ番組を携えて集った皆さんのみならず、運営にあたった地元実行委員会の我々も、系列などの垣根を越えた作業に新鮮な感動を得ました。
今回のテーマは「どうなる?どうする?『地域のテレビ』を考える」でした。ゲストによるトークセッションでは「テレビは、あと10年」という発言もありましたが、それを乗り越えるべく、地域の制作者が協力してことにあたる良いきっかけにもなったと思います。共同作業を目の当たりにし、普段ライバル同士である地域の放送局が連携したら大きなパワーになると感じた1日でした。
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初めて審査員をしてみたら。 |
ミニ番組コンテスト審査員 柴崎 朋樹
(日本テレビ「ZIP!」総合演出) |

不思議で、気持ちのいい経験だった。
北陸信越地方の民放各局やNHKの若い制作者が富山に集まり、制作者フォーラムが開かれた。ふだん日本テレビとその系列で仕事をしているぼくにとっては、これほど多くの他系列の制作者と席を一緒にすることは、まずない。
ミニ番組コンテストが開かれ、審査員として5分ほどのVTRに次々と寸評を加えたのだが、これが新鮮な経験だった。毎朝、自分の番組のスタッフを叱咤激励するのと同じ気持ちで、他の系列の(いってみれば“よそ様”の)若者たちに、ダメ出しをし、アドバイスをし、声援を送った。
今後に生かします、と何人もの(“よそ様”の)若者が目をキラキラさせて言ってくれた。
ほんの少しだけど、彼らの力になり、励ませたかもしれない。
ふだん競争に明け暮れている身としては、ちょっと気持ちがあったかくなった。
これ、東京でもやったらいいのに。
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