●ミニ番組コンテスト入賞作品
参加番組30本の中から、審査員によって、最優秀賞1本、優秀賞2本、審査員特別賞4本が選ばれた。
|

|
<敬称略。同賞はエントリー番号順> |
 |
ラブレター
〜残された手紙とともに〜 |
テレビ宮崎 川野 偉州 |
私が彼女を知ったのは、2〜3年前の新聞記事だった。90歳を過ぎた現役小児科医という事にまず驚いたが、それよりも戦争で亡くしたご主人との結婚生活が僅か75日、そして戦地から送られてきた沢山のラブレターが現存し、それと共に今まで独りで生きてきた事に惹きつけられた。当時の若者はどのような言葉で愛を語り合っていたのか?なぜ再婚しなかったのか?そこが知りたかった。「貴女のことでいっぱいで苦しい」「会えなくて淋しい」など現代の若者と何ら変わりない言葉。昔も今も一緒だなという微笑ましい思いと、そんな若者が御国の為に命を捧げた悲しい過去を改めて考えさせられた。そして「彼の影を私の胸から消す事ができない」という重い言葉に本物の愛を教えられた。ご主人への愛を貫き通す美しさに感動させられた今回、彼女の取材をさせて頂いたことに感謝。 |
 |
●トークセッション |
「映画のこと、テレビのこと」 |
映画監督の崔洋一氏が、放送の良心としてアメリカ国民に愛され、時の権力に立ち向かったTVジャーナリスト、エド・マローを描いた映画『グッドナイト&グッドラック』を題材に、テレビの技術は確実に進歩しているが、メディアの本質は60年前と変わっていないと思うと話し、ジャーナリズムのあり方を会場の制作者に問いかけた。 |

|
作り手の共感が見える
|
九州放送映像祭ミニ番組コンテスト審査員長
南日本新聞編集局長 鈴木 達三
|
九州・沖縄の民放、NHK各放送局の若手らが作ったミニ番組の審査員を務めさせていただいた。対象は30本。作品は5分以内と短く、内容はお笑い系、カメラマンリポート、ドキュメンタリー、調査報道など幅広い。優劣をつけるのは難しいだろうと思ったが、実際はそこまで悩まなかった。作り手が自分たちの街や、撮った対象にどれだけ真摯に向き合ったのか、共感できたのか、映像にはっきり表れている気がしたのだ。
その作り手の視点、思いに視聴者である私がどれだけ共感できるかということを第一の基準にし、事実(素材)の重み、表現力、マスコミとしての使命感などの要素を加味すれば、自分の推す作品がすんなり決まった。なんだ、結局は私たち地方紙の記事と一緒なんだ、と思った。刺激を受け、勉強になる、得難い体験だった。
|
熱い心と暖かい心で描く |
RKB毎日放送
今村 晃一
(九州放送映像祭実行委員会) |
鹿児島市での開催となった今回は、九州・沖縄の各局から30本の作品が集まりました。ドキュメンタリーや情報番組、ニュースにカメラマンリポートと様々なジャンルの作品で、審査員をお願いした新聞社の方もテレビの多彩な表現方法に驚かれていました。
いずれの作品も制作者の暖かい心が満ち溢れていて、特に口蹄疫を扱った番組の紹介で、生産者のことが頭をよぎったのか、舞台で思わず口ごもって涙を見せたディレクターの姿に、地域で制作していくことの大切さは何かを教えられました。レベルが高い作品が揃っていたため、審査は最後までもつれました。講演会では、映画監督の崔洋一さんから映像制作に対する熱いエールをもらいました。あいにくの黄砂で桜島は見えなかったものの、懇親会は参加者のテレビに対する熱気が渦巻いていました。
|