●講演 「いま、デジタルの現場では」
土肥 尚彦 氏/北日本放送 ディレクター
野上 純一 氏/NHK チーフプロデューサー
土肥氏は、地域の民放の中でいち早く2004年からデジタル放送を始めた経験をもとに、問題となった点やその解決方法など、これからデジタル放送が始まる放送局にむけて講演を行った。2002年に放送した『散居村』は、初めてのハイビジョンカメラ(HD)による制作だったが、ローカル局にとってドキュメンタリーの力となると感じた。山、川などの美しい自然というより、地味なテーマの普段の番組作りのなかでHDをどう活用していくのか、その表現方法の一つにHDが役立つことを実感するまでに2年を要したと述べた。
野上氏は、技術が進歩しデジタル化になったことで、テレビは“映像と音声”のメディアだという原点を改めて認識したという話をもとに講演を行った。
HDの画面は、横長であり画面のデザインを新たに考えなくてはならず、それには雑誌のレイアウトが参考になったことなどを述べた。また、双方向など、技術の発達が相互性を生み、放送の新しい可能性を感じている、さらにはテレビ以外の映像クリエイターとの交流も大切だと語った。
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