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北日本制作者フォーラムinふくしま
 
  テーマ:「いまこそ ローカルだっぺ!」
場所:福島市・福島テルサFTホール
平成15(2003)年10月10日(金)〜11日(土)

1997年に盛岡市で始まった“みちのく映像祭”に、2001年から北海道地区が加わり、“北日本制作者フォーラム”となりました。2001年3月の山形市(テーマ:テレビ力)・2002年7月の青森市(テーマ:じょっぱり宣言)に引きつづき、今年は福島市で「いまこそローカルだっぺ!」をテーマに開催しました。東北・北海道の民放、NHKの若手制作者を中心に、北の「ローカルパワー」を大いにアピールしました。

<プログラム>

15年10月10日(金)12:30〜

〇基調講演
杉田 成道 氏
(フジテレビ編成制作局エグゼクティブディレクター)
○ミニ番組コンテスト
東北6県と北海道の40の放送局が参加し、ミニ番組を上映。
会場の投票によって、優秀賞2本と、審査員特別賞4本を選び、表彰します。
  (北日本制作者フォーラムでは、ミニ番組コンテストとは別にドキュメタリー、教養、娯楽、情報などあらゆるジャンルの番組 (55分以内)のコンテストも行い、北海道(3本)・東北6県(各2本)の予選を通過した15本の中から最優秀賞作品1本を選びました。)
15年10月11日(土)10:00〜
○最優秀賞作品「ママ、えがおがきこえるよ」(IBC岩手放送)の上映
○ フォーラム
参加パネリスト
  右田 千代 氏(NHK報道局ディレクター)
岸本 晃  氏
(企画会社「プリズム」代表取締役、熊本市在住)
湯口 幸一 氏
(北海道テレビ放送編成・企画センター主幹)
宮島 敏郎 氏(新潟放送報道部部長代理)
 
北日本制作者フォーラムinふくしま

▼開催内容詳細

 新たなデジタル時代を迎える今こそ、ローカルにこだわり、北のローカルパワーを大いに発揮しよう!と平成15年10月10日(金)〜11日(土)、東北6県と北海道の40の放送局の制作者が一堂に集い、福島市の福島テルサFTホールで「北日本制作者フォーラム in ふくしま」が開催されました。技術の進歩で地域差が狭まれば、狭まるほど逆に地域に個性が求められる今、地域の人々とともに、「GLOCAL」(Global+Local)の力が輝くためには、今何をどう考えればいいかを熱く語り合いました。2日間の参加者はのべ200名でした。

第1日目
●1部 基調講演

「私にとっての『北の国から』」と題して『北の国から』のプロデューサーの杉田成道さんが21年間続いたこの番組を撮り終えて、今感じていることや地方局への期待を会場に語りかけました。
<杉田成道さんの講演より・・>
 いままではドラマといえばスタジオで撮ることが一般的であったが、この『北の国から』は北海道の富良野という街をひとつのスタジオにして街全体をどこでも撮る画期的なドラマを考えました。今は、東京の文化が一方的に地方に流されている…その価値観が正義のようにいわれている、これはおかしいのではないでしょうか。地方には地方独特の価値観がある、これからは逆に地方から東京へ文化を発信しようではありませんか!
●2部 ミニ番組コンテスト
合計26作品がエントリーしました。審査結果は下記の通りです。
北日本制作者フォーラム「ミニ番組コンテスト」受賞結果
 
放送会社名
タイトル
最優秀賞
テレビユー福島 民間交通事故鑑定人
優秀賞
秋田放送 義足のキリン幼い命87日間
審査員特別賞
札幌テレビ放送 表札異変
審査員特別賞
IBC岩手放送 僕らの手作り産直
審査員特別賞
宮城テレビ放送 スズムシおじさん
審査員特別賞
山形放送 女相撲・大関若緑
(最優秀賞と優秀賞は会場の得票数によるもの)

第2日目
●1部 番組部門受賞作品の上映
 北日本制作者フォーラムでは、ミニ番組コンテストとは別にドキュメタリー、教養、娯楽、情報などあらゆるジャンルの番組(55分以内)のコンテストも行っています。北海道(3本)・東北6県(各2本)の予選を通過した15本の中から最優秀賞1本、優秀賞2本が選出され、最優秀作品は全編上映、優秀作2本は15分のダイジェスト版にして上映しました。
<最優秀賞>
○IBC岩手放送 『ママ、えがおがきこえるよ』
内容:重度の難聴者の娘と母親の絆をテーマに、小学生から大学・就職・結婚へ・・・笑顔を忘れずに様々な困難に立ち向かう一人の女性を追いかけた作品。
<優秀賞>
○北海道文化放送 『誰が命を救うのか〜揺れる医師法17条』
内容:市立札幌病院で起きた研修中の歯科医師に気管挿管などの措置をとらせた医師の医師法違反事件を通して救命医療の現状を検証した作品。

○宮城テレビ放送 『アイガモの詩〜難病ALS患者の7年』
内容:不治の病ALSを患いながら、希望を失わず、寝たきりになっても家族とともにアイガモ農法による無農薬の稲作を続けている一家を追った作品。

●2部 「いま、テレビ番組制作者は何を目指すのか」
パネリスト
右田 千代 氏(NHK報道局ディレクター)
岸本 晃  氏(企画会社「プリズム」代表取締役、熊本市在住)
湯口 幸一 氏(北海道テレビ放送編成・企画センター主幹)
宮島 敏郎 氏(新潟放送報道部部長代理)
 「映像による地域情報の発信」を発案して人材養成講座を始め、自治体職員や主婦ら100人以上の「住民ディレクター」を育てた岸本氏から住民ディレクターが撮った映像が紹介されました。岸本さんは「プロの制作の視点や方法を押しつけないように、自由に撮ってもらうことが大事」との話がありました。この作品をめぐって宮島さんは、「デジタル時代の地方局の生き残り策に大きなヒントになる」、湯口さんは「市民ディレクターに番組を制作する原点を見た、これが出来るのが地方局の強みだ」との発言がありました。右田さんからは、「テレビは、市民が視聴者としてだけでなく、積極的に関わることができるメディアへと確実に変化している」との意見がありました。
 また、宮島さんは「地方の若い制作者から時間もなくお金もない…だから番組が作れないとの話をよく聞く、でも、そう言っている人に十分な時間とお金を与えてもいい番組が作れるかどうか疑問。そろそろそんないい訳を止めようではないか」との呼びかけがあった。他のパネリストからも「時間やお金がないからこそ番組の切り口や視点が大事になる。視聴者へ伝えたいことを絞り込んで番組を作れば、時間やお金は最小限でもすばらしい番組を作ることは可能だ!」と会場にいる若い制作者へ先輩から力強いメッセージを投げかけた。