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第1回(1975年)から現在まで当基金が実施した放送文化基金賞の表彰対象全てを検索できます。
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第30回 放送文化基金賞 受賞のことば
【番組部門】●テレビドキュメンタリー番組  
【本賞】NHKスペシャル SARSと闘った男 〜医師・ウルバニ 27日間の記録〜
 未知のウイルスが広まった病院に渦巻く恐怖は、凄まじいものでした。医師、看護師七人が亡くなり、逃げ出す人も続出しています。その病院で患者の傍らに留まり、世界に警告を発し続けた医師ウルバニを支えたものは何だったのか。そこに人間の生き方が凝縮されている、それを伝えたいと思いました。番組は、極限の状態の中でウルバニ医師と関わり、そこで生まれた絆を伝えたいと願う証言者たちの強い思いに押されるようにして完成したと思っています。取材の途中、一人の無名の人間が、国境を越えさまざまな人々に愛されている事実に深く心を動かされました。またウルバニを支えた日本人医師、研究者たちの生き様にも勇気付けられました。それが私たちを最後まで頑張らせてくれたエネルギーでした。
NHK 虫明英樹

【優秀賞】小さな町の大きな挑戦 〜ダイオキシンと向き合った川辺町の6年〜
 10年程前から環境問題の取材には縁があったが、「対立」の話が多いのに辟易していた。一方、環境問題は国境のないテーマで、私の住む鹿児島で取材したことが世界の人の役に立つ、という可能性もある。「対立」より「希望」を伝えたい、と思っていた1997年、ダイオキシン問題が噴き出した。
 伝えたい、と思えるモデルケースを探すため、県下96市町村全ての環境対策担当者に電話をかけた。そんな方法しか思いつかなかった。70件めの電話で川辺町の亀甲課長に出会えた時のうれしさは忘れられない。環境行政をやり直す町の姿勢は6年間の幾多の危機を乗り越え、地球の裏側からも助っ人を引き寄せた。
 「正直者はバカをみない」と思った。6年間を番組に残せて、こんなに共感していただき、感謝でいっぱいです。
南日本放送 山縣由美子

【番組賞】NNNドキュメント’03 チンチン電車と女学生 〜2003・夏・ヒロシマ〜
 「戦時中は女の子が電車を運転していたらしい」去年3月、電車の車庫で耳にした言葉です。その話を知る人は殆どなく、資料も1点も残っていませんでした。
 諦めかけた時、ある名簿を発見しました。電車の乗務員養成のための女学校、原爆投下で消えた“幻の女学校”の名簿でした。探し当てた女学生たちの口からは、運転士時代の青春、そして悲しみがあふれ出しました。
 戦前から広島の町を走る、『650型』。少女たちがハンドルを握った電車です。しかしその歴史は顧みられることもないまま来春の廃車が検討されていました。地元広島でも、記憶の風化は進んでいます。
 “少女たちが生き抜いた時代を伝えたい”“650型を守りたい”。日野カメラマンと、記憶を辿る作業が続きました。放送後、650型は保存されることが決まりました。
広島テレビ 堀川惠子

【番組賞】第18回民教協スペシャル 流転 〜追放の高麗人と日本のメロディー〜
 企画した当初、私は「美しき天然」のメロディーの中にある「哀愁感」にだけ目を奪われていました。高麗人たちの流転のきっかけが、日本の植民地統治であるという過去の事実にとらわれ過ぎていたのです。しかし、実際に彼らが歌う「美しき天然」は、力強い音楽に変わっていました。数々の困難を乗り越え、ひたむきに生き抜いてきた高麗人たちの執念を感じたからかもしれません。実はこの曲、軍歌や文部省唱歌のように日本から押し付けられたのではありません。「アリラン」と同様、朝鮮の民衆に自然と広まったものなのです。日本製と疑わなかった私に、「本当は朝鮮の音楽だったのではないだろうか」という思いさえ抱かせました。今、南ロシアで出会った夫婦に再会する企画を進めています。今度はどんな歌が聞こえてくるのか楽しみです。
熊本放送 村上雅通

【番組賞】サンデープロジェクト 検証 アメリカの戦争@ 見殺しにされた米軍兵士〜米国が隠すイラク戦争「死の兵器」〜
 2000年に劣化ウラン弾の取材を始めた頃、この兵器についてほとんど知られていませんでした。私自身、沖縄で米軍が演習に使った奇妙な名前の兵器としてしか知りませんでした。しかし、それは知られていないのではなく知らされていなかったのです。
 ボスニアに12歳になる少女がいました。彼女は爆撃の後何かの破片で遊んでいたところ爪が抜け落ち意識不明に陥ります。彼女の村では紛争の後、住民の死亡率が異常に増えていましたが、原因は誰にもわかりません。イラクでも、子供たちの白血病やガンが急増しているのに原因がわかりません。劣化ウラン弾の残した恐怖でした。アメリカはこの兵器の危険性を知りながら隠し、使い続けていたのです。
 取材を通じ、事実が隠される恐怖と真実を伝える事の大事さを学んだ思いがします。
日本電波ニュース社 島 直紀


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